和泊町議会での質問より
質問内容「奄美海上保安部にヘリ搭載型巡視船の配備について」
現在,徳之島,沖永良部島,与論島の南三島の急患搬送には陸上自衛隊第一混成団(那覇)か,沖縄県の民間医療機関が自主運営するドクターヘリが利用されています。自衛隊も2007年3月に徳之島で発生した事故を教訓に,気象マニュアルの作成,又,「仮通報」で出発までの時間を大幅に短縮するなど,少しでも早く現場に到着するための方策を取り入れているようです。民間医療機関のヘリも,地元の病院・医院との連携のもと,医師が直接乗り込んで患者の治療をしながら救急救命センターに搬送しています。住民の命を守っている両機関に対して衷心から敬意を表します。
強風や夜間などの厳しい条件の中で,長距離の飛行を件うわが離島の急患搬送は常に危険な任務にありますが,2007年度県内の離島の救急搬送の実績は222件となっています。その内でヘリ搬送は1 7 7件を占め,内訳は県防災ヘリ46件,鹿屋自衛隊ヘリ71件,沖縄自他隊ヘリ53件,沖縄民間ヘリ7件であります。
しかし,民間ヘリコプター患者搬送システム(U-PITS)は有視界飛行が原則であり,自衛隊としても沖縄地域と奄美は気象条件が異なる場合もあり,気象情報システムが未整備の離島から具体的なデータを得るのは難しく,ヘリの飛行を見合わせる判断をすることもあります。そのような事から,医療行為の早期開始が必要な急患搬送に支障をきたしているのも現実であります。
外海離島にある奄美大島にとって台風,災害発生時,荒天特等の急患搬送は,厳しい地理的条件もあり現在その対応は非常に困難で,奄美12万人の島民が大変不安に思っている所です。
よく,格差社会と言われていますが,離島と本土の医療,命に格差があってはいけないと思います。命は平等です。
厳しい気象条件の中でも高度な救難技術で救急救命処置をしながら,ヘリコプターによる機動力を最大限に生かし,人命の早期救助に実績のあるヘリ搭載型巡視船を奄美海上保安部に配備していただきたく特段のご配慮を強く要望します。
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