和泊町議会での質問より
教育の振興について
答弁:和泊町総務課
(1)中学生の頭髪問題について,どのように考えているか。
盛議員の中学生の頭髪問題についてご質問にお答えします。
現在,児童生徒は心身の発達過程にあり,学校が集団生活の場であることなどから一定のきまりがあることは大事なことであると考えます。そのような一定のきまり(校則や生徒心得など)は町教育委員会が策定するものではなく,児童生徒の発達段階や地域性等を総合的に判断して学校が規定していくものです。
頭髪に関する規定についても,生徒の発達段階,地域の実情,保護者の考え方などを踏まえた上で,教育的見地に立って学校で決められたものであると理解しており,社会通念に照らして著しく不合理なものではないと考えます。
もちろん,日常の教育活動の中で,児童生徒が不当な取扱いや不利益をこうむることがあってはならず,そうならないように学校が配慮することは当然のことであります。学校が児童生徒にきまりを守るよう指導することは大切なことでありますが,そのことにより児童生徒が人権侵害を受けるような事例があってはなりません。また,そういう事例が起こらないよう指導することは,教育委員会の重要な職務であると考えております。
現在においても頭髪については,保護者の了解を得ずして強制的に切らせるような指導は,教育委員会並びに学校もしていません。校則や生徒心得については,学校の教育方針,保護者や校区の方々の考え方,児童生徒の発達段階や実態等を踏まえ,学校が適宜見直しをすべきものであると考えます。今後も,PTAや学校評議員をはじめ各方面から意見を集約し,必要に応じて見直しを行うように指導していく所存です。
(2)特別支援教育の充実にどう取り組む考えであるか。
盛議員の特別支援教育の充実についてのご質問にお答えします。
特別支援教育は,児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し,その持てる力を高め,生活や学習上の困難を改善又は克服するため,適切な指導及び必要な支援を行うものです。そしてこれからの特別支援教育は,これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく,知的な遅れのない発達障害も含めて,特別な支援を必要とする児童生徒が在籍するすべての学校において実施されなければなりません。
全国の小学校及び中学校には,様々な障害をもつ児童生徒が在学しており,特に通常の学級においては,LD(学習障害),ADHD(注意欠陥・多動性障害),高機能自閉症等の児童生徒が約6パーセントの割合で在籍している可能性が示されています。そのような中で,小・中学校等において特別な教育的支援を必要とする児童生徒等への適切な指導及び必要な支援がより一層求められてきています。
このような状況を踏まえ,本町においても,様々な障害のある児童生徒に対する適切な教育的支援のための体制整備をめざしています。以前にも述べましたが,本町には現在,和泊小学校に2学級,和泊中学校に1学級の特別支援学級が設置されています。発達障害のある幼児児童生徒の特別な教育的二ーズに応えるためには,特別支援学級の担任一人一人が問題を抱えて対処していくのではなく,学校全体としての組織運営が重要だと考えます。学校においては,管理職によるリ一ダーシップのもと,全校的な支援体制を確立するため,LD等の実態把握や支援方策の検討などを行う校内委員会を設置するとともに,その推進役として特別支援教育コーディネーターを指名し,校務の中に明確に位置づけるよう教育委員会としても指導しているところです。また,児童生徒一人一人の障害の状態に応じたきめ細かな指導が行えるよう,より具体的に児童生徒の教育的ニーズに対応して,指導目標や指導内容・方法を盛り込んだ「個別の指導計画」の作成を援進しているところです。
町においても研修会や巡回相談を主催し,特別支援教育に精通した専門家の助言や相談を通して,子ども達に対応する援職員の指導力の向上を図るよう努めているところです。
さらに,障害のある児童生徒に対し,食事,教室の移動補助等学校における日常生活動作の介助を行ったり,発達障害の児童生徒に対し学習活動上のサポートを行ったりする「特別支援教育支援員」の活用が適切な教育を実施する上で一層重要であると考えています。本町では,現在1名の支援員を配置していますが,来年度はさらに2名の増員を予算化してその充実を図るようにしています。
最後に教育委員会及び学校においては,個人情報が漏洩したり差別的な取り扱いがなされたりすることがないよう発達障害のある幼児児 童生徒の権利の擁護に十分配慮して,適切な教育的支援,支援体制の 整備を図っていきたいと思います。